【新型コロナウイルス】5類移行後の労務管理における影響について
みなさまご存じのとおり、2023年(令和5年)5月8日から、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類感染症」に引き下げられました。
厚生労働省は、下記を「推奨」しています。
・発症後5日を経過し、かつ、症状軽快から24時間経過するまでの間は外出を控える
・発症後10日間が経過するまでは、マスクを着用し高齢者等との接触は控える
しかし、上記はあくまでも推奨ですし、労務管理の現場では少々違った対応をしなければならないケースもあります。
これまでは、感染したり、濃厚接触者となったりした場合、保健所等から外出自粛を要請され、出勤することができなかったため、欠勤や有給休暇で休むことがほとんどでした。
しかし、5類へ移行したため、このような「外出自粛」等の措置が無くなり、家族等が感染した労働者はもとより、自らが感染した場合でも、出勤することが可能となりました。
事業所としては、他従業員や顧客等への感染拡大を防ぐため、感染した労働者を出勤させたくないと考えるところかと思いますが、その対応は一概にはできません。
たとえば、感染が分かった場合や発熱などの諸症状があることのみをもって、一律に労働者を休ませる場合は、「使用者の責に帰すべき休業」とされ、「休業手当(平均賃金の6割以上)」の支給が必要となります。
就業規則等で、休業基準に関する定めをしている場合も同様です。
ただし、労働者には「労働力を提供し、その対価として賃金を得る」という原則があるため、通常の労働力が提供できないほどの体調不良の場合は、会社が出勤を拒むことが可能なケースもあります。
(もちろん、医師が休業を指示する場合も同様)
すべて、個別ケースによっての判断が必要とはなりますが、新型コロナウイルスの感染の有無ではなく、「働けるのか、働けないのか」という事実に基づいて考えていくことが必要でしょう。
テレワークが可能な職場では、積極的に活用していくという方法もあります。
これまでの約3年間の慣習や感染症としての怖さなどがあり、しばらくの間は舵取りが難しい場面も多いかもしれませんが、会社の方針をはじめ、ひとつひとつ、しっかりと対応していくことが大切です。
※なお、当内容は本日付のもので、状況により変わる可能性はあります。
厚生労働省ホームページ上で公開されている「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」のページも随時更新されていますので、ご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
その他、ご不明な点などございましたら、お気軽にご連絡ください。
【2023年5月19日】